土木地下構造物の耐震設計においては時刻歴応答解析が必須であり,そのためには鉄筋コンクリート部材の非線形特性を定量的にモデル化する必要があります.現在では下に引用したようにTakedaモデルが一般的に使用されてます.Takedaモデルはパラメータとして、ひび割れモーメント/曲率(Mc-φc),初降伏モーメント/曲率(My0-φy0),終局モーメント/曲率(Mu-φu)からなるトリリニア型モデルですが、現状ではこのパラメータ(M-φ)を単独で計算できるソフトは数少なくまた使い勝手もいいものとはいえません.特にFEM時刻歴応答解析においては,各有限要素毎にM-φを計算する必要があり,要素数が多くなる場合には非常に手間暇のかかる作業となります.

geotechsでは下記資料に厳密に準拠し,M-φをExcel上で入力/計算できるVBAアプリを開発しました.計算結果はEXCEL sheetに出力され,この出力値はそのままTDAP等FEM耐震設計ソフトの入力値として使用することができます.またこれにより鉄筋コンクリート部材の非線形特性直を検証することが可能となります.

道路橋示方書美Ⅴ耐震設計編(平成29年11月)p121

「鉄筋コンクリート橋脚のレベル2地震動に対する地震応答を精度よく求めるためには,鉄筋コンクリート橋脚の非線形履歴特性を適切に表すことができる履歴則を用いる必要がある.鉄筋コンクリート橋脚は,塑性変形が大きくなると除荷及び再載荷の剛性が低下する特性を有することから,塑性変形量に応じた剛性低下を表すことができるモデルを用いることが望ましい.剛性低下型モデルとしては,Takedaモデルがその特性をよく表すことが確認されている.」